
今回は、混同されやすいシャンパンとスパークリングワインについてお伝えします!
シャンパンってシュワシュワしたワインだよね。そういえば…スパークリングワインと何が違うのかな?

スパークリングワインとは

スパークリングワインとは、炭酸ガスを含む発泡性のあるワインのことです。一般的に3気圧以上のガス圧をもったものを指します。
それ以下の1〜2.5気圧のワインは、セミ・スパークリングワイン(弱発泡性ワイン)に区分されます。
スパークリングワインの呼び方
スパークリングワイン(Sparkling wine)という言葉は英語圏での呼び方です。国によって呼び方が違います。
各国の呼び方を見てみましょう。
国 | 呼び方 |
---|---|
フランス | ヴァン・ムスー (Vin Mousseux) |
イタリア | スプマンテ (Spumante) |
ドイツ | シャウムヴァイン (Schaumwein) |
スペイン | エスプモーソ (Espmoso) |
セミスパークリングワインの呼び方を見てみましょう。
国 | 呼び方 |
---|---|
フランス | ペティヤン (Petillant) |
イタリア | フリッツァンテ (Frizzante) |
シャンパンとは
シャンパンは、フランスのスパークリングワインです。つまりヴァン・ムスーの一種。
フランスのシャンパーニュ地方で厳しい規定に従って造られたものだけをシャンパンと呼ぶことができます。
産地以外にどのような規定があるかというと、ブドウ品種、製法、アルコール度数、熟成期間です。
では、もう少し詳しく見てみましょう。
シャンパンに使用されるブドウ品種
シャンパンに使用されるブドウ品種は主に3品種です。
- シャルドネ(白ブドウ)
- ピノ・ノワール(赤ブドウ)
- ピノ・ムニエ(赤ブドウ)
シャルドネはワインに繊細さを与え、ピノ・ノワールはボディと力強さを、ピノ・ムニエは柔らかさと果実味を与えます。
この3品種のブレンド比率(セパージュ)は生産者によって異なり、シャンパンの味わいも違ってきます。
多くのシャンパンはこの3品種をブレンドして造られますが、白ブドウのみ、もしくは黒ブドウのみで造られるシャンパンもあります。
白ブドウのシャルドネだけで造ったシャンパンを ブラン・ド・ブラン(Blanc de blancs)。
黒ブドウのピノ・ノワールやピノ・ムニエだけで造ったシャンパンを ブラン・ド・ノワール(Blanc de Noirs)と言います。
シャンパンの製法
スパークリングワインの製法は5つあり、シャンパンは伝統的方式(メトード・トラディショネル)、別名瓶内二次発酵という製法で造られます。シャンパーニュ地方ではシャンパーニュ方式(メトード・シャンプノワーズ)と呼ばれます。
どのような製法かプロセスを見ていきましょう。
- ベースになるスティルワインを瓶に詰めて、糖分と酵母を加え、瓶内で二次発酵を行います。
- 瓶内二次発酵が終わったら、そのまま瓶を寝かせて熟成させます。
- 熟成が終わったら、瓶底に沈澱している澱を取り除きます。
- 澱抜きによって損失した分を補うと同時に、最終的な甘味を調整するためにワインを補充します。
- 栓をしラベルを貼って完成です。
スパークリングワインの製法としては最も時間と手間がかかる製法です。
ゆっくりと熟成させて造られるため香りや旨みが強く、泡のきめも細かくなるのが特徴です。
世界には、シャンパン以外にもシャンパーニュ方式で造られるスパークリングワインがあります。
国 | ワイン名 |
---|---|
フランス | クレマン (Cremate) |
イタリア | フランチャコルタ (Franciacorta) |
スペイン | カヴァ (Cava) |
これらは、シャンパンとは使用されるブドウ品種が違いますが、同じく泡のきめが細かい上質なスパークリングワインです。
クレマンやカヴァは、シャンパンよりもリーズナブルなので、気軽に楽しみたい時にもおすすめですよ。
シャンパンのアルコール度数
シャンパンのアルコール度数は、11%以上と定められています。よって、アルコール度数が11%未満のものは、スパークリングワインに分類されます。
発泡性があると、口当たりもよく飲みやすいですが、同じく発泡性のあるビールやチューハイに比べて、アルコール度数が高いということを覚えておきましょう。
シャンパンの熟成期間
シャンパンには、ノン・ヴィンテージ(ノン・ミレジメ)と、ヴィンテージ(ミレジメ)という2種類のシャンパンがあります。
ノン・ヴィンテージのシャンパンとは、いくつかの収穫年のブドウを調合して造られたもの。
ヴィンテージのシャンパンとは、単独年に収穫されたブドウのみで造られたものです。
この2種類はそれぞれ、熟成期間の規定があります。
ノン・ヴィンテージのシャンパンは瓶詰後最低15ヶ月以上、ヴィンテージのシャンパンは最低3年間以上の熟成義務があります。
参考文献:一般社団法人日本ソムリエ協会(2018)『日本ソムリエ協会教本2018』
まとめ
この記事では、混同されやすいシャンパンとスパークリングワインの違いについてお話しさせていただきました。シャンパンと呼ぶにはこんなに細かい規定があるということに驚きますよね。
ちなみに、フランスの生産者組織であるシャンパーニュ委員会は「シャンパーニュ」と呼ぶことを推奨しています。「シャンパン」と呼ぶことも許容されているので、どちらでも大丈夫ですが、ワイン業界ではシャンパーニュと呼ぶことが多いです。
最後に、一度は飲みたい大手メゾンのシャンパンをいくつかご紹介します。プレゼントにもおすすめですよ。
最後までお読みいただきありがとうございました。